飲食店の口コミ返信。味・接客・待ち時間、指摘の型ごとに何を書くか
低評価の指摘は「非がある」「非がない」「好みの問題」の3つに分かれます。型ごとの書き分けと、返信してはいけない相手(恐喝詐欺)への対応を、Googleの公式ヘルプから整理しました。
飲食店の低評価は、指摘の中身がばらつきます。味、接客、待ち時間、清潔さ、注文ミス。同じ「星2」でも、書くべきことは違います。
返信の基本的な組み立て方は低評価の口コミが付いたとき、店側が最初にやるべきことに書きました。ここでは飲食店で実際に多い指摘を、型ごとに何を書くかまで落とします。
書き始める前に、その日の記録を見る
Googleの「クチコミに対して効果的な返信を書くためのヒント」には、否定的なクチコミへの対応としてこう書かれています。
クチコミ投稿者とその訪問に関する記録を確認します。
飲食店なら、予約台帳、POSの時間帯別データ、その日のシフト、仕込みの状況です。投稿日時と内容から、どの時間帯の話かはたいてい特定できます。
記録を見ないまま書くと、当たり障りのない文章になります。それは読む人に「事実を確認していない」と伝わります。ここは人がやる工程で、下書きをAIに任せる場合でも飛ばせません(口コミ返信にAIを使っていいか)。
指摘は3つの型に分かれる
記録を見たら、次の3つに振り分けます。この振り分けが、そのまま書く内容を決めます。
根拠になるのが、同じヘルプの次の記述です。
起きてしまったミスについては誠意をもって対応しましょう。ただし、自分たちに非がないことについては、責任を負うことを避け、現時点で対応できることと対応できないことを説明しましょう。
「非がないことまで謝るな」と明記されているのが要点です。全部謝る返信は、読む人には誠実に見えず、事実関係も曖昧になります。
| 型 | 例 | 書くこと |
|---|---|---|
| 非がある | 注文ミス、提供漏れ、異物、清掃不足 | 事実を認める/何を変えたか |
| 非がない | 満席で入れなかった、閉店時間、価格 | 対応できることとできないことを説明 |
| 好みの問題 | 味が濃い・薄い、量、雰囲気 | 設計の意図を短く/選択肢があれば示す |
型ごとの書き分け
注文ミス・提供漏れ(非がある)
事実を認め、何を変えたかを書きます。「確認します」では、次に来る人の判断材料になりません。
ご注文いただいた品をお出しできておらず、失礼いたしました。現在は配膳前に伝票と照合する手順を入れ、フロアの担当を1名増やしております。
待ち時間(記録次第で型が変わる)
これは振り分けが要ります。オペレーションが回っていなかったなら「非がある」、満席で行列ができていたなら「非がない」です。後者は、できることとできないことを書くのが公式の指針に沿います。
土曜の夜は席数に対してご来店が集中し、30分前後お待ちいただく時間帯がございます。事前のご予約を承っておりますので、お急ぎの場合はご利用ください。店内の回転については引き続き見直してまいります。
味(多くは好みの問題)
ここが一番こじれます。「濃い」「薄い」は多くの場合、店の設計と好みのずれです。否定も全面謝罪もせず、意図を短く書くのが現実的です。
当店は出汁の塩分をやや強めに調整しております。お好みに合わせて、ご注文時に薄めのご用意も承れますので、次の機会にお声がけいただけますと幸いです。
味を「改善します」と書くと、他の常連客に向けて別の約束をすることになります。ここは慎重に。
接客・清潔さ(たいてい非がある)
争わないでください。具体的に何を変えたかを1行入れます。清掃の頻度、チェック表、担当の固定。変えていないことは書かないのが原則です。
共通で守ること
同じヒントから、返信全体に効く項目です。
- 簡潔に。長すぎる返信は読む気をなくす可能性があるとされています
- 名前かイニシャルを添える。返信の信頼性を高めることができるとされています
- 速やかに。フィードバックを重視していることを示せます
- プロモーションを入れない。書いた人はすでに顧客なので、お得な情報を提示する必要はないとされています
- 投稿者の個人情報を公開しない。来店日や人数を書いて特定できる状態にしない
個別の対応は、公開の場ではなく直接に移します。ヘルプにも、問題の解決をサポートできるようメールまたは電話で直接連絡するようお願いすることが挙げられています。あわせて、前向きな返信とフォローアップによってクチコミの更新を促すこともできるとされています。書き換えを要求するのではなく、対応した結果として起こり得る、という話です。
なお返信は公開前に審査があり、通常10分以内、最長で30日ほどかかる場合があるとされています。公開されると投稿者に通知が届きます。出してから直す前提では運用できません。
返信してはいけない相手がいる
最後に、飲食店で実際に起きている件です。Googleは恐喝詐欺について専用のヘルプを出しています。
この詐欺では、Google ビジネス プロフィールに 1 つ星や 2 つ星のクチコミが急増し、その後、低評価のクチコミの削除と引き換えに金銭、商品、サービスの提供を要求するようなことが行われます。
対応は明確に示されています。
悪意のあるユーザーとやり取りしたり、そのようなユーザーに金銭を支払ったりしないでください。こうした対応はさらなる要求につながる場合があるだけでなく、クチコミの削除も保証されません。
金銭やサービスを提供して自分で解決しようとしないこと、すべての証拠を直ちに収集することも明記されています。用意するのは、削除と引き換えに金銭や便宜を要求している連絡のスクリーンショット(日時と送信者の連絡先が写っているもの)、該当するクチコミへの直接リンク、相手の名前やアカウント情報、気づいた日時です。そのうえで、販売者向けの恐喝の報告フォームから報告します。
この経路を使うのは、削除と引き換えに要求を受けた場合だけです。単にポリシー違反が疑われる口コミは、通常の報告に回します。見分け方と手順は不自然な口コミの見分け方と、報告するときの手順にまとめています。
まとめ
- 書く前に予約台帳・POS・シフトで、その日の記録を確認する
- 指摘を「非がある」「非がない」「好みの問題」に振り分ける
- 非がないことまで謝らない。対応できること・できないことを説明する
- 味の指摘は設計の意図を短く書く。安易に「改善します」と書かない
- 簡潔に、名前かイニシャルを添えて、速やかに。宣伝は入れない
- 個別対応はメールか電話へ。投稿者が特定できる情報を書かない
- 返信は公開前に審査があり、公開されると投稿者に通知が届く
- 星1・星2の急増と金銭要求は恐喝詐欺。やり取りも支払いもせず、証拠を集めて報告する
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参照した一次情報
本記事は一般的な傾向と公開情報にもとづく解説です。制度・仕様は変更されることがあるため、実際の手続きや設定の際は必ず一次情報をご確認ください。