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整骨院の口コミは規制されるのか。医療機関とは別のルールがある

2025年2月に「あはき・柔整広告ガイドライン」が策定されました。施術所のウェブサイトは原則として広告に当たらず、利用者が自ら書く体験談も広告とみなされません。ただし書けない表現があります。医療機関との違いも整理しました。

「整骨院は口コミを載せたらいけないと聞いた」。この話は半分だけ合っています。

整骨院とクリニックでは、かかるルールが別です。そして2025年2月に、施術所向けの指針が新しく作られました。ここを混同したまま運用している院が多いので、順に分けます。

整骨院は「医療広告ガイドライン」の対象ではない

よく参照される医療広告のルールは、医業・歯科医業・病院・診療所を対象にしたものです。柔道整復やあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの施術所は、別の法律で規制されています。

厚生労働省は令和7年2月18日付の通知(医政発0218第1号)で、「あはき・柔整広告ガイドライン」を策定しました。根拠法は、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律と柔道整復師法です。

検討会は平成30年5月に始まり、第11回(令和6年7月)まで続いています。間に「施術所の名称『整骨院』について」が複数回議題になっているとおり、長く曖昧だった領域が、ようやく文書になったという性質のものです。

広告かどうかは3要件。ウェブサイトは原則、広告ではない

ここが医療機関といちばん違う点です。広告に当たるかは、①誘引性 ②特定性 ③認知性 のいずれも満たすかで判断されます。そのうえで、

インターネット上の施術所等のウェブサイト等は、当該施術所等の情報を得ようとの目的を有する者が、自らURLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものであるため、「認知性」を満たさないものとして、従来情報提供や広報として扱ってきた。これらについては、引き続き原則として広告とは見なさないこととする。

自院のサイトは、原則として広告規制の対象外です。ただし「対象外だから何を書いてもよい」ではありません。指針は同じ章で、ウェブサイトに掲載すべき事項と掲載すべきでない事項を定め、自主的な取組を促しています。

例外もはっきり書かれています。広告に該当する例として挙げられているのが次の2つです。

  • 検索サイト上で「鍼灸」と検索した際にスポンサーとして表示されるもの
  • 検索サイトの運営会社等に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたもの

広告を出稿した瞬間に、広告のルールが乗ります。 サイトは自由、リスティングは規制という分かれ方です。

利用者が自ら書く体験談は、広告とみなされない

指針には「通常広告とは見なされないものの具体例」が列挙されています。

  • 学術論文、学術発表等
  • 新聞や雑誌等の記事
  • 利用者等が自ら掲載する体験談、手記等
  • 施術所内で掲示又は配付するパンフレット等
  • 利用者からの申出に応じて送付するパンフレットやE-mail 等

Googleの口コミに利用者が自分で書いたものは、ここに入ります。 口コミが付くこと自体を止める必要はありません。返信の考え方は低評価の口コミが付いたときと同じで構いません。

ただし「口コミサイトで1位」は書けない

一方で、ウェブサイトに掲載すべきでない事項の例に、口コミが名指しで出てきます。「他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの」の例です。

(例)・口コミサイトで1位を獲得。/・○○にも掲載された

口コミが付くのは自由。それを自分で引用して優位性を示すのは別ということです。「口コミ★4.8」「地域で評価No.1」といった表記をサイトに置いている院は、ここに当たります。

同じ一覧には、ほかにこういう例も並んでいます。

類型 挙げられている例
客観的事実を証明できないもの 「絶対安全な施術です」/加工、修正した施術前・施術後の写真等の掲載
早急な受療を過度にあおる表現 費用の過度な強調
不安をあおって受療を誘導するもの 「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受療ください」

ビフォーアフター写真の加工も、この一覧に入っています。

なお、あはき師法第7条第2項・柔整師法第24条第2項により、施術者の技能、施術方法、経歴に関する広告は一切認められないとされています。例として「慢性病の根本治療」「高い技術」「痛くない鍼」「○○療法の第一人者である○○先生に師事」などが挙がっています。サイトは広告ではないとしても、チラシや看板では書けません。

医療機関(クリニック)は扱いが違う

比較のために、医療機関側も見ておきます。こちらは令和8年3月30日に最終改正された「医療広告等ガイドライン」が適用され、ウェブサイトも広告に含まれます。

当該病院等が自らのウェブサイト等に掲載する治療等の内容又は効果に関する体験談については広告に該当すること(その上で省令第1条の9第1号の規定に基づき禁止されること)

さらに踏み込んだ記述があります。

これは、患者等の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。

クリニックは、自院サイトに患者の体験談を載せられません。 内容が穏当でも不可です。整骨院のサイトとは前提が逆になります。

ただし第三者の口コミについては、こう書かれています。

個人が運営するウェブサイト、SNS の個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しない。

Googleの口コミは、依頼も便宜も図っていなければ対象外。ここは整骨院と同じ結論になります。

依頼や謝礼を出すと、どちらも線を越える

医療広告等ガイドラインは、体験談が広告になる場合を具体的に挙げています。病院からの依頼に基づく手記、金銭等の謝礼を受けている場合やその約束がある場合、書いた個人が経営に関与する者の家族等である場合。

これはGoogleのポリシー側の線とも重なります。特典と引き換えの依頼や身内の投稿が禁止されている件はGoogleの口コミを増やすに、不自然な口コミへの対処は不自然な口コミの見分け方にまとめました。法令とプラットフォームのポリシーで、同じ行為が二重に引っかかります。

カテゴリ設定で施術所を正しく表す方法はGoogleビジネスプロフィールのカテゴリ選びを参照してください。

まとめ

  • 整骨院に適用されるのは「あはき・柔整広告ガイドライン」(令和7年2月18日)。医療広告のルールとは別
  • 広告該当性は誘引性・特定性・認知性の3要件。自院サイトは原則として広告に当たらない
  • ただしリスティング広告や、費用を払って上位表示させたものは広告になる
  • 利用者が自ら書く体験談は、通常広告とは見なされない
  • 「口コミサイトで1位を獲得」のような自己引用は、掲載すべきでない例として名指しされている
  • 技能・施術方法・経歴の広告は法律で一切認められていない
  • クリニックは逆に、自院サイトの体験談そのものが禁止される
  • 依頼や謝礼があれば、どちらも誘引性ありとして扱われる

自院がどちらのルールに属するかを、先に確認してください。

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参照した一次情報

本記事は一般的な傾向と公開情報にもとづく解説です。制度・仕様は変更されることがあるため、実際の手続きや設定の際は必ず一次情報をご確認ください。

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