整骨院のGoogleビジネスプロフィール。店名とカテゴリに、2つのルールが重なる
Googleは「看板と同じ実際の名称」を求め、あはき・柔整広告ガイドラインは名乗れる名称を制限します。「メディカル」「交通事故専門」「小顔矯正」は名称に使えません。院長個人のプロフィールを分ける条件も整理しました。
接骨院・鍼灸院・整体院は、Googleビジネスプロフィールの登録画面では横並びで出てきます。好きなものを選べるように見えます。
ところが名乗り方で、かかるルールが変わります。 しかもGoogle側の決まりと法令側の決まりが、同じ入力欄の上で重なります。片方だけ見て直すと、もう片方で引っかかります。
カテゴリ設定そのものの考え方はGoogleビジネスプロフィールのカテゴリ選びにまとめました。ここでは施術所・医療機関に固有の部分だけを扱います。
Googleは「看板に出ている名称」を求める
まずGoogle側です。ガイドラインは名前の欄をこう定義しています。
オンラインでユーザーに見つけてもらうには、正確なビジネス名(店舗、ウェブサイト、ビジネスレターなどで一貫して使用し、顧客に認知されている、実際のビジネスの名称)を使用します。
さらに住所の項に、見落とされやすい一文があります。
Google に住所を掲載する場合、その住所に、ビジネスの名称の掲示を常設する必要があります。
つまりGBPの店名は、看板に出ている名称です。 そして看板は、法令上まぎれもなく広告です。ここで2つのルールがつながります。看板に書けない名称は、GBPにも書けません。
なお名前の欄に入れられないものも列挙されています。マーケティングのうたい文句、営業時間の情報、電話番号やURL、サービスや商品の情報、所在地の表示。「○○駅前の」を店名に足すのも、この一覧では不可の側です。
法令側は、名乗れる名称を列挙している
施術所に適用されるのは、2025年2月18日付の「あはき・柔整広告ガイドライン」です。医療機関のルールとは別物で、この違いは整骨院の口コミは規制されるのかに整理しました。
この指針は名称についてこう述べています。利用者が、
- 国家資格保有者による、あはき・柔整の業態であること
- 法令に基づき都道府県に届けられ適法であること
- 医療機関と紛らわしい名称を用いていないこと
を認知できる名称である必要がある、としています。そのうえで例が挙がっています。
広告可能な名称の例(一部抜粋)
| 型 | 例 |
|---|---|
| 業態を特定せず「施術所(院)」と表記 | ○○施術所(院) |
| 提供する施術業態に「治療院(所)」を付ける | ○○鍼灸治療院、○○鍼灸治療所 |
| 併設している場合に併記 | ○○接骨院・鍼灸院、○○接骨院・○○鍼灸院 |
広告不可能な名称の例(一部抜粋)
| 類型 | 例 |
|---|---|
| 病院・診療所と誤解する恐れがあるもの | ○○治療所、メディカル、クリニック、リハビリ |
| 対象者を限定するもの | 女性専門療院、交通事故専門、アスリート |
| 施術内容・技能・方法を含むもの | 不妊鍼灸、背骨専門、無痛治療、電気療法 |
| 効能を含む、優良と思わせるもの | 姿勢改善、小顔矯正、背骨矯正、巧み |
「交通事故専門」「小顔矯正」は、店名に入れている院がかなりあります。ここは意外と広い網です。
抜け道もふさがれています。
英語にしたり、一般的に同じ意味と認識される別の用語・呼称を用いる等表現方法を変えても表示は不可
「メディカル」が駄目なので「Medical」にする、という回避は効きません。
「整骨院」は、例として挙がっていない
ここは正確に書きます。指針の名称の例に出てくるのは「接骨院」で、「整骨院」は可の例にも不可の例にも載っていません。
この語は検討会で繰り返し議題になりました。第9回(令和5年2月13日)で「業態名+治療院」とあわせて、第10回(令和6年5月20日)と第11回(令和6年7月12日)では「施術所の名称『整骨院』について」が単独の議題です。3回かけて議論され、公表された指針の例示には入らなかったという経過です。
ただし両方の一覧には「※一部抜粋」と明記されています。載っていないことをもって可否を断定はできません。屋号を変えるかどうかの判断は、所轄の保健所に確認してください。
なお柔整広告告示で広告し得る事項として定められているのは「ほねつぎ(又は接骨)」です。あわせて、医療保険療養費支給申請ができる旨、予約に基づく施術の実施、休日・夜間の施術、出張施術、駐車設備に関する事項などが列挙されています。
「マッサージ」は、資格と結びついている
指針には無資格者の行為に関する章があり、そこで語句の使い方が名指しされています。
あん摩マッサージ指圧以外の行為を提供する場所において「マッサージ」という語句を用いた広告等がみられ、消費者に誤認を与えるおそれがあると指摘されている
整体・リラクゼーションの店がカテゴリやサービス名に「マッサージ」を置くのは、この指摘に当たります。 国家資格を必要とする業を行っていると誤認させる表示は不適切、とも書かれています。
同じ章に、症状名についての記述もあります。
「腰痛」、「膝の痛み」等の痛み症状に対する施術、慢性の「肩こり・疲労」等の常態的な症状に対する施術の表現は、特定の疾患に対する施術或いは疾患の原因となる可能性を含んでいる症状に対する施術に当たる可能性が高いことから、広告及びウェブサイト等に表現すべきでない
これは無資格者の行為についての記述です。サービス欄やビジネスの説明に「腰痛」「肩こり」と並べるのは、自店がどちらの立場かで扱いが変わります。 国家資格保有者かどうかを先に確認してください。
併設しているなら、プロフィールを分ける
Google側のカテゴリの決まりに戻ります。同一の場所に別経営の事業が入っている場合、自分の事業のカテゴリだけを使います。さらに、
次のような併設事業の場合は、それぞれ別にプロフィールを作成します。同じビジネス拠点で両方のカテゴリを設定するのではなく、プロフィールを 2 つに分け、2 つ目の事業には必ず別の名称を使用します。
接骨院にパーソナルジムやリラクゼーションを併設しているケースが該当します。1つのプロフィールにカテゴリを足して両方を表そうとすると、Googleの決まりから外れます。
ここは法令側とも整合します。指針が「○○接骨院・鍼灸院」の併記を認めているのは、どちらも施術所として届け出ている場合です。無資格者の行為を併設しているなら、名称でも運用でも分けておくほうが筋が通ります。
院長個人のプロフィールを分けられるか
ガイドラインには「個人専門家」という枠があります。
個人専門家とは、対外的に専門業務を行い、通常は独自の顧客層を抱える専門家です。医師、歯科医師、弁護士、投資顧問、保険代理人、不動産仲介士などが個人専門家に含まれます。
条件が2つ示されています。
- 対外的に専門業務を行う専門家本人であること。サポートスタッフが自分のビジネスプロフィールを持つことはできません
- オーナー確認された事業所で営業時間内に本人に直接連絡が取れること
制限もあります。
1 人の専門家が専門分野ごとに複数のビジネス プロフィールを作成することはできません。
そして同じ事業所に複数の専門家がいる場合の分け方です。運営組織が事業所のプロフィールを作り、専門家のプロフィールにはその専門家の名前のみを含め、運営組織の名前は含めないとされています。医療モールや複数医師の診療所がここに当たります。
受付スタッフや施術助手の名前でプロフィールを増やすのは、はっきり不可です。 口コミ件数を分散させる目的でこれをやると、停止の対象になります。
商品の欄に医療機器は出せない
もう1つ、医療系で引っかかる箇所があります。商品を掲載する機能のポリシーです。
アルコール、タバコ関連商品、ギャンブル、金融サービス、医薬品、未承認のサプリメント、健康機器、医療機器といった規制対象の商品やサービスに関連するコンテンツは禁止されています。
健康機器・医療機器が名指しされています。 物販を商品欄に載せる前に、ここを確認してください。違反した商品を送ると、違反していない商品を含めてカタログ全体が削除されることがある、とも書かれています。
クリニックのウェブサイト側のルールはクリニックのホームページに書けないことにまとめています。
まとめ
- GBPの店名は「看板に常設している実際の名称」。看板は広告なので、法令の名称ルールがそのまま効く
- あはき・柔整広告ガイドラインは、名乗れる名称を例示している。「メディカル」「クリニック」「リハビリ」は不可
- 「交通事故専門」「小顔矯正」「無痛治療」も不可の例。英語に置き換えても不可
- 「整骨院」は可否いずれの例にも載っていない。例示は一部抜粋なので、所轄の保健所に確認する
- 「マッサージ」の語は資格と結びついている。整体・リラクゼーションが使うと誤認の指摘に当たる
- 併設事業はプロフィールを2つに分け、2つ目には別の名称を使う
- 個人専門家のプロフィールは本人のみ。サポートスタッフは不可、1人で複数も不可
- 商品の欄に健康機器・医療機器は掲載できない
屋号を決める日に、この2つを同時に確認してください。あとから変えると、オーナー確認からやり直しになります。
無料のMEO診断では、Googleビジネスプロフィールの記載内容を確認してお返ししています。
参照した一次情報
本記事は一般的な傾向と公開情報にもとづく解説です。制度・仕様は変更されることがあるため、実際の手続きや設定の際は必ず一次情報をご確認ください。