AIの回答に古い店舗情報が出る。消すのではなく、直して待つ
閉店したメニューや昔の営業時間がAIの回答に出てくるとき、削除ツールを探す前にやることがあります。Googleは「公開中のページを更新済みなら申請は不要」と明記しています。非表示ツールの期限、ChatGPT側の3つのボット、AIによる概要のフィードバック窓口を公式ドキュメントから整理しました。
「AIに聞いたら、去年やめたコースが出てきた」という相談が増えました。
やりたくなるのは削除です。削除ツールを探し、見つからず、問い合わせ先を探して時間が過ぎる。ところが公式ドキュメントを読むと、ほとんどのケースで申請は必要ないと書かれています。順番を間違えないための整理です。
まず、古い情報がどこに残っているかを切り分ける
AIの回答に出る情報の出どころは、だいたい次の4つに分かれます。
| 出どころ | 直せるか |
|---|---|
| 自社サイトのページ | 直せる。自分で直す |
| Googleビジネスプロフィール | 直せる。自分で直す |
| 他社サイト(ポータル、まとめ記事、旧制作会社の実績ページ) | 直接は直せない。先方に依頼する |
| モデルの学習データ | 直せない |
この切り分けを飛ばして「AIから消す方法」を探すと、4つ目を相手に戦うことになります。実際に手が届くのは上の2つで、そこを直せば、残りの多くは時間とともに追いついてきます。
自社サイト側の直し方と再クロールの手順はホームページが更新されていない店は何を失っているかに、プロフィール側の情報を勝手に変えられたときの戻し方はGoogleマップの店舗情報が勝手に変更されたときにまとめています。
直したなら、申請は要らない
Googleの「古いコンテンツの更新」ヘルプは、冒頭にこう書いています。
重要: 公開中のページをすでに更新している場合は、フォームに入力する必要はありません。
同じことが、Search Consoleの非表示ツールのヘルプにも出てきます。「このツールを使用すべきでない場合」の一つとして挙げられているのが、まさに古い情報の掃除です。
誤った情報をクリーンアップする場合(404 エラーの古いページなど)。サイトの変更によってインデックスに登録されている URL が古くなってしまった場合は、次回のクロール時に Google が認識し、古いページが自然に Google の検索結果で非表示にされます。すぐに更新するようにリクエストする必要はありません。
Google自身が「待てばよい」と書いている領域で、申請の列に並ぶ必要はありません。 ページを直す、プロフィールを直す、それで作業は終わりです。
ページを消した場合だけ、更新をリクエストする
申請が意味を持つ場面は限られます。「古いコンテンツの更新」が想定しているのは、こういう状態です。
コンテンツがサイトから削除されているのに、まだ Google 検索の検索結果に表示されている場合は、ページの説明やキャッシュが古い可能性があります。
つまりページを消したあとです。コース紹介のページを削除したのに、説明文が検索結果に残っている。このときだけフォームを使います。ページのURLを入れて送るだけで、サイトの所有者でなくても申請できます。画像についても、画像検索でリンクのアドレスをコピーして送る手順が用意されています。
リクエストの状況は Search Console から確認できます。
非表示ツールは約6か月で戻る
もう1つのツール、Search Consoleの非表示ツールには期限があります。
重要な注意事項: リクエストによってページがブロックされる期間は約 6 か月間です。この期間が経過すると、ブロックされていた情報が再び Google 検索結果に表示されるようになります
さらに、
URL をブロックしても、Google によるページのクロールは回避できません。回避できるのは検索結果への表示のみです。
これは「とりあえず隠す」ための緊急用の道具です。 半年後に戻ってくるので、根本的な対処にはなりません。機密情報が出てしまったときのような急ぎの場面に使い、その間に元のページを直す。順番はそうなります。
ChatGPT側は、3つのボットを分けて考える
OpenAIは公式ドキュメントで、用途の違う3つのユーザーエージェントを挙げています。設定はそれぞれ独立です。
- OAI-SearchBot:ChatGPTの検索機能で、サイトを検索結果に出すためのもの。拒否すると検索の回答には出なくなる(リンクとしては残りうる)
- GPTBot:基盤モデルの学習に使われる可能性があるクロール。拒否は「学習に使わないでほしい」という意思表示
- ChatGPT-User:ユーザーが質問したときに、その場でページを見に行く動き
ここから分かることが2つあります。
1つ目。学習データを拒否しても、すでに学習されたものは消えません。 GPTBotを止めるのは将来に対する設定です。
2つ目。その場でページを見に行く経路があるので、元のページを直す効果は小さくありません。 検索機能とオンデマンドの取得は、学習データではなく今のページを読みます。
反映にかかる時間も明記されています。
For search results, please note it can take ~24 hours from a site's robots.txt update for our systems to adjust.
robots.txt の変更が検索側に反映されるまで約24時間。直した翌日にもう一度試す、くらいの間隔が妥当です。AI検索に自店が出ているかの確認手順はChatGPTに「近くの店」を聞かれて自店が出ないときにまとめています。
AIによる概要は、無効化ではなくフィードバック
Google検索のAIによる概要について、ヘルプには2つの記述があります。
AI による概要は、ナレッジパネルと同様に、Google 検索の主要な機能です。機能を無効にすることはできません
重要: AI の回答には間違いが含まれている場合があります。
オフにはできない。間違うこともある。そのうえで用意されているのがフィードバックです。概要の下部にある低評価アイコンから「問題を報告」を選び、カテゴリを選んで送ります。送信内容には直前の検索クエリと結果が含まれます。
即時に直る窓口ではありませんが、事実と違う内容が出ているなら、報告は残しておく価値があります。 併せて、検索後に「ウェブフィルタ」を選べばテキストのリンクだけを表示できる、とも書かれています。自店の情報を確認するときはこちらのほうが素の状態を見られます。
まとめ
- 出どころを4つに切り分ける。手が届くのは自社サイトとGoogleビジネスプロフィール
- 公開中のページを直したなら、Googleへの申請は不要。公式ヘルプにそう書かれている
- 更新リクエストを使うのは、ページを削除したのに説明文が残っているときだけ
- 非表示ツールは約6か月で戻る。緊急用で、根本対処ではない
- ChatGPTは検索・学習・オンデマンドで経路が別。学習の拒否は過去には及ばない。robots.txtの反映は約24時間
- AIによる概要は無効化できない。間違いはフィードバックから報告する
削除ツールを探す時間を、ページを直す時間に回したほうが早く終わります。
店舗情報の整備状況を確認したい方へ。無料のMEO診断では、Googleビジネスプロフィールの記載内容を見てお返ししています。
参照した一次情報
本記事は一般的な傾向と公開情報にもとづく解説です。制度・仕様は変更されることがあるため、実際の手続きや設定の際は必ず一次情報をご確認ください。