ホームページ制作にIT導入補助金は使えるか。公式の答えと、名前が変わった話
結論から言うと、ホームページ制作(ECサイト制作含む)は補助対象外です。制度名も「デジタル化・AI導入補助金2026」に変わりました。何が対象で、どこで落ちるかを公募要領とFAQから整理しました。
「IT導入補助金でホームページを作れますか」
制作会社からそう提案された、という相談を受けることがあります。先に2つ、はっきりさせておきます。
1つ目。制度の名前が変わりました。現在の名称は「デジタル化・AI導入補助金2026」です。「IT導入補助金」で検索すると前年度までの情報が出てくるので、要領を読むときは年度を確認してください。
2つ目。ホームページ制作は対象外です。
公式のFAQに、そのまま書いてある
事務局が公開しているよくある質問に、この項目があります。
ホームページ制作は補助対象ですか。
ホームページ制作(ECサイト制作含む。)は補助対象外です。
ECサイトも含めて対象外と明記されています。あわせて同じFAQに、次の2つも載っています。
- リースは補助対象外です
- 通常枠においてハードウェアは補助対象外です
つまり「補助金でサイトを作りませんか」という提案は、少なくともこの制度では成立しません。制作費の考え方そのものは店舗ホームページの制作費用は何で決まるかに書きました。
では、何が対象なのか
公募要領の定義がはっきりしています。
補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする。
ここが制度の性格を決めています。登録済みのIT導入支援事業者が、登録済みのITツールを提供する場合に限られます。いつもお願いしている業者に好きなものを作ってもらって経費にする、という使い方はできません。
対象となるITツールは3つの大分類に分かれます。
| 大分類 | 中身 | 補助の範囲 |
|---|---|---|
| Ⅰ ソフトウェア | ソフトウェア、機能拡張 | サブスクリプション等は最大2年分 |
| Ⅱ オプション | データ連携ツール、セキュリティ | データ連携は最大1年分 |
| Ⅲ 役務 | 導入コンサルティング、導入設定・研修、保守サポート | 200万円が上限。1交付申請あたり1つのみ |
補助率と補助額は次のとおりです。
| 補助金申請額 | プロセス数 | 補助率 |
|---|---|---|
| 5万円〜150万円未満 | 1プロセス以上 | 1/2以内 |
| 150万円〜450万円以下 | 4プロセス以上 | 1/2以内 |
一定の賃金要件を満たす場合は2/3以内になるとされています。詳しい条件は要領の該当箇所を確認してください。
落ちやすいのは「順番」
対象外となる経費の一覧に、実務でいちばん効く項目があります。
交付決定前に購入したITツール。
先に契約・発注してしまうと対象になりません。公募要領の事業実施の説明にも、交付決定前に契約・発注した場合は補助対象とならない、交付決定後に行うこと、と書かれています。「どうせ通るから先に進めましょう」という進め方は、ここで損をします。
他に挙げられている対象外の経費も見ておいてください。
- 交通費、宿泊費
- 補助金申請、報告に係る申請代行費
- 公租公課(消費税)
- 交付申請時において、ITツールの利用金額が定められないもの
- 対外的に無償で提供されているもの
- リース・レンタル契約のITツール
- 中古品
申請代行費が対象外である点も押さえておくとよい部分です。代行を頼む場合、その費用は自己負担になります。
申請の前に要る準備
要領から、時間がかかるものを拾います。
GビズIDプライム。発行までおおむね2週間とされ、早めの申請手続きを行うよう案内されています。法人なら法務局が発行した印鑑証明書、個人事業主なら印鑑登録証明書(いずれも発行から3か月以内)が必要です。
SECURITY ACTION。情報処理推進機構(IPA)の制度で、本事業では「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言が要件とされています。
申請は1回だけ。交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみとされています。
交付後の報告がある。補助事業の実施・実績報告は交付決定日から6か月間程度、その後も効果報告が3年度目まで続きます。導入して終わりではありません。
ホームページを補助で作りたい場合
別の制度を見ることになります。小規模事業者持続化補助金では、販路開拓の取り組みとしてウェブサイト関連費が扱われてきました。対象になる経費と公募要領の読み方は小規模事業者持続化補助金でホームページは対象になるかにまとめています。
ただし、制度は年度ごとに変わります。今回の名称変更がその例です。公募要領にも「制度内容・スケジュール等は変更する場合がある」と明記されています。
そして当然ですが、申請が通ることをお約束できる制度ではありません。審査があり、採択されない場合もあります。「通ります」と言い切る提案を受けたら、その根拠を確認してください。
サイトが自店に必要かどうかという手前の判断は店舗にホームページは必要かを参照してください。補助金ありきで決めると、使わないものを作ることになります。
まとめ
- 制度名は「デジタル化・AI導入補助金2026」に変わった
- ホームページ制作はECサイト制作を含めて補助対象外、とFAQに明記されている
- リースも対象外。通常枠ではハードウェアも対象外
- 対象は、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供する登録済みITツール
- 役務は200万円が上限、1交付申請あたり1つのみ
- 交付決定前に契約・発注したものは対象にならない
- 申請代行費、消費税、中古品も対象外
- GビズIDプライムは発行までおおむね2週間。SECURITY ACTIONの宣言が要件
- 1法人・1個人事業主あたり1申請。効果報告は3年度目まで続く
- 制度内容は変更され得る。申請前に最新の公募要領を確認する
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参照した一次情報
本記事は一般的な傾向と公開情報にもとづく解説です。制度・仕様は変更されることがあるため、実際の手続きや設定の際は必ず一次情報をご確認ください。